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⚠以下、作品の紹介・感想を書くにあたり多少のネタバレを含みますのでご注意ください⚠
ストーリー紹介
ある日突然、最愛の息子を交通事故で失った美央。
亡き息子の部屋に入ってみると、本棚には異世界転生の小説がずらりと並んでいました。
異世界転生の小説の主な内容は、『死んだと思ったら異世界に転生していて、そこで人生をやり直す』というもの。
それを片っ端から読んだ母親・美央は思います。
『私の息子は死んでない、異世界に転生したんだ』
そこで息子を異世界から呼び戻す、または自分が異世界へ行く方法を探し始めます。
とは言え、周りは誰もこの話を信じてはくれません。
そこで美央が思い出したのは、かつての同級生・堂原智太。
堂原智太は高校時代はいわゆるオタクで、美央の知り合いでその手のアニメや小説に詳しい唯一の人間でした。
美央は堂原に会いに行き、一緒に異世界転生する方法を探すように頼みます。
「異世界転生なんてできるはずがない…」そう思う堂原でしたが、美央の気持ちを考えるとそのことを伝えられず、一緒に異世界転生の方法を探し始めます。
果たして二人は異世界へ転生する方法は見つけられるのでしょうかーー。
感想
タイトルからして、異世界転生の話かと思いきや、思いっきり現実を生きている人の話です。
とにかく切ない。だって救いがない…。
息子の死を受け止められないでいる母親、現実にはありえない異世界転生ー。
普通、「異世界に転生する方法を一緒に探して」なんて言われたら事情をわかっていても困ります。
主人公・堂原も、異世界転生なんて現実ではできないことは重々承知。
否定するよりとことん付き合ってあげるのが良いのか、それとも本当のことを伝えるべきなのか。
どちらをとっても言葉を一つ間違えれば相手を深く傷つけることになってしまいます。
美央や堂原、美央の夫、周りの友人たちの気持ち全てに非常に考えさせられました。
正論だけでは人に寄り添えない。正しいと思ってやったことが最悪な結末になる。答えのない答えを求める虚しさ。
いろいろ考えさせられる、深い作品だったなと思います。
読み始めるまでは、よくある異世界に転生して何かを成し遂げる話だと思っていたので、ストーリーが意外なもので驚きました。
世界感に引き込まれて一気に読んでしまいました。
なかなか類を見ない作品だったなと思います。
切ないですが、おすすめです。
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