『愛犬のための症状・目的別栄養辞典』は、これから愛犬の手作りご飯に挑戦しようとしている方にとてもおすすめできる一冊です。
症状別に必要な栄養が一目でわかる
この本は、愛犬が抱える健康上の問題に対して、どの栄養素が効果的かを症状別に詳しく説明しています。
たとえば、消化不良や皮膚トラブル、関節の痛みなど、具体的な症状に応じた食材の選び方がわかるため、初めて手作りごはんを考える人でも安心してスタートできる内容です。
特定の症状を改善するための栄養を知り、それをどのように食事に取り入れるかがわかりやすく書かれています。
いろいろな栄養素を取り入れられる具だくさんおじやが基本
この本は、いろいろなレシピが載っているわけではありません。
簡単にいろいろな栄養素が取り入れられる具だくさんおじやをベースにして、症状別に必要な栄養素を含む食材に代えながら作っていくものになります。
「いろいろなレシピを作って愛犬を楽しませたい!」という人には物足りないかもしれませんが、初心者の方にはすぐにでも取り組めるような内容になっているのでおすすめです!
栄養バランスの考え方がシンプルでわかりやすい
栄養が偏らないようすごく細かく考えないといけないのではないか…と心配になってしまうのが栄養バランス。
この本は、その点すごくシンプルに考えられていて心配は一瞬で消えます。
栄養バランスは次の5つのグループに分けられています。
- 1群(穀類グループ)
- 2群(肉・魚・卵・乳製品グループ)
- 3群(野菜・海藻グループ)
- +α(油脂グループ)
- +α(風味づけグループ)
この5つのグループごとにさまざまな食材が書かれているので、その中の食材を取り入れて行くというものです。
本当に、できるだけ簡単に取り組めるように…という願いが込められているんだなと感じます。
食事量の目安が出せる計算式が付いている
私自身がそうなのですが、手作りごはんを実践するにあたって実は一番不安だった部分がこれです。
「栄養バランスと食事量、これを間違えるくらいなら総合栄養食のドライフードを与え続けた方がマシなのではないだろうか…」
何度そう思って足踏みしたことでしょう。
きっと同じ気持ちの人もたくさんいるのではないでしょうか。
『愛犬のための症状目的別栄養辞典』は、P30~P31にライフステージ別換算表や体重別換算指数表が載っているので、計算式に当てはめることで食事の目安量を簡単に出すことができます。
表にある数字を当てはめるだけなので簡単です!
簡単に取り入れられる食材
基本的に本に載っている食材は、普段私たちが日常で使っているものがほとんどです。
簡単にスーパーで手に入れることができるものばかりとなっています。
また、本の後半でそれぞれの食材の栄養と効能について詳しく書かれています。
作っているときにふとした疑問が出た場合は、そこを読むとだいたい解決できる場合が多いです♪
症状別にひとことアドバイスがある
それぞれの症状別の解説の最後に須﨑恭彦先生からの「ひとことアドバイス」が書かれています。
このアドバイス、本当に一言なんですが的確です。
そして、迷っている私たち飼い主の背中を押してくれます。
この、ひとことアドバイスを読むだけでも価値があるかもしれません。
専門家の知識に基づく信頼性
著者である須﨑恭彦先生は獣医師としての豊富な経験を持ち、動物の栄養学に精通しています。
そのため、この本の内容は信頼性が高く、愛犬のための食事作りに役立つ正確な情報が載っていますので安心して取り入れることができます。
私のおすすめポイント
実際に読んでみて感じたことを書いていくよ!
「神経質になりすぎなくて大丈夫」
そんな気持ちにさせてくれる一冊です。
私は普段からすごく心配性なのですが、特に大切な愛犬・向日葵のことになると尚更です。
「手作りごはんに切り替えて、かえって健康を害すようなことがあったらどうしよう…」
向日葵が体調を崩したことでフードを見直すことになり、手作りごはんに切り替えることになった時に考えたのはそればかりでした。
「毎日難しい計算をするの?」
「そもそもどうやって計算するの?」
「栄養バランス偏らないかな?」
「1回の食事量足りてる?」
本当に、こんなことがずーっとグルグルグルグル頭の中を駆け巡っていました。
セミナーに行ったり、いろいろな本を手に取ったりもしました。
そんな中でこの本は優しい言葉で不安を和らげてくれる内容でした。
一般的に「絶対にダメ」とされていることが、案外そこまで神経質にならなくても良いということに気付けたり、
ドッグフードのメリットやデメリットについても書かれたりもしています。
獣医師の立場から書かれているだけに説得力もあり、素直に受け取ることができます。
硬くなった頭をすこし柔らかくしてくれる優しい文章なので、初心者の方や、つい難しく考えてしまいがちな人におすすめしたいです。
個人的に『ドッグフードの成分を身近な食材に置き換えてみよう』という項目が面白かったです!!
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